あらすじ

大阪で、ホステスを狙った連続強盗致傷事件が発生する。 被害者に共通していたのは、「誕生日の夜」という一点だった。 犯行は二人組。 客として店に入り、誕生日を聞き出し、帰宅のタイミングを尾行して襲う。 計画的でありながら、どこか素人じみた手口。 捜査線上には浮かばないまま、事件は静かに増えていく。 一方、西淀川で整備工場を営む松本健と、美容師の金本慎二。 金に困った二人は、匿名の指示に従う形で犯行に手を染めていた。 ナンバープレートの偽造、車両の手配、下見と逃走補助。 だがある夜、被害者の関係者である暴力団関係者と遭遇したことで、状況は一変する。 偶然の衝突は、二人を警察だけでなく裏社会からも追われる立場へと追い込んだ。 やがて捜査は、キャバクラでの聞き込みから「誕生日を執拗に聞く客」の存在に辿り着く。 さらに、防犯カメラの解析により、修理中の車両を利用した移動経路が浮かび上がる。 点だった情報は線となり、ついに二人の居場所へと収束していく。 追い詰められた健は、自首を決意する。 「やり直したい」という一念からだった。 しかし慎二は逡巡し、最後まで踏み切れない。 その差が、二人の運命を分けることになる。 健は示談により執行猶予を得る一方、慎二は逮捕される。 事件は終息したかに見えた。だが、奪われた金と暴力団の因縁は残っていた。 やがて健の工場は火に包まれる。 廃油のドラム缶が燃え上がり、証拠も、過去も、すべてを飲み込んでいく。 炎を前に立ち尽くす健。 失ったものと、消えなかったもの。 その境界に立ちながら、彼は初めて「生き直す」ことと向き合う。 誕生日という祝福の夜を狙う犯罪。 選択の積み重ねが生む取り返しのつかない結果。 本作は、都市の片隅で起きた連続犯罪と、その裏にある人間の弱さと再生を描く社会派サスペンスである。

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小説を読もう2026/06/14
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