あらすじ
――恋など、知らないまま終わるはずだった。
華やかな廓で「最高の花」と呼ばれながら、誰にも本当の自分を愛されることなく生涯を閉じた花魁・◯◯。
男を魅了する術は知っている。
けれど、誰かと対等に心を通わせる“恋”だけは知らなかった。
そんな彼女が目を覚ましたのは――現代日本。
煌びやかな着物姿のまま、行き倒れていた彼女を助けたのは、ごく普通の男子高校生だった。
「お前、どこのコスプレだよ……?」
スマホ、コンビニ、学校、SNS。
何もかもが理解できない世界で、それでも彼女は懸命に生きようとする。
だが、距離が近づくほど、花魁だった過去が彼女を縛る。
“愛されること”と、“欲しがられること”の違いがわからない。
優しさを向けられるたび、彼女は戸惑ってしまう。
「……恋とは、金も契りもなく、ただ側にいたいと思うものなのでありんすね」
廓の中でしか満開になれなかった女が、現代で初めて知る“本当の恋”。
これは、一度散った花が、もう一度咲き直す物語。