あらすじ
特殊清掃員・瀬名透は、死んだ部屋の違和感を読むことができる。
孤独死の部屋。
事故物件。
夜逃げされた部屋。
廃ビルの残置物。
人間は嘘をつく。
だが、部屋に残された配置は嘘をつかない。
ある日、瀬名は解体予定の旧研修施設で、図面にない地下を見つける。
そこにいたのは、久遠ミカと名乗る少女だった。
彼女は助けを求めない。
泣きもしない。
ただ、こう言った。
「ここに長くいない方がいいです」
直後、白い服の男たちが施設へ入ってくる。
ミカを連れ戻すために。
なぜ彼女は地下にいたのか。
なぜ記録から消されているのか。
なぜ彼女を追う組織は、彼女を「人」ではなく「対象」と呼ぶのか。
死んだ部屋を読む清掃員と、記録から消された少女。
二人の逃亡が始まる。