あらすじ
あらすじ
その島には、
昔から人魚の伝説があった。
夜の海へ近付くな。
歌声を聞くな。
人魚に愛された人間は、
二度と陸へ帰れない――。
離島で生まれ育った遠泳選手・深海碧は、
全国レベルの実力を持ちながらも、
期待と重圧に押し潰されそうになっていた。
夜明け前の海だけが、
唯一息をつける場所だった。
そんなある日、
碧は海の底で“それ”を見つける。
白に近い金髪。
深海のような青い瞳。
そして、人間ではありえない美しい尾びれ。
人間を嫌う、美しい人魚――レヴィ。
「そんな顔で泳ぐな」
冷たいはずのその声だけが、
なぜか碧の心に深く残った。
海に惹かれる青年と、
人間を拒む人魚。
これは、
境界を越えて溺れていく、
静かで美しい恋の物語。