あらすじ

心に深い傷を負った者が辿り着くという、存在しない病院――夢幻病棟。 そこでの患者の状態はすべて「記録」として管理され、 看護師の言葉ひとつでさえ、症状に影響を与えることがある。 天羽ゆらは、この病棟で働く看護師だ。 正しく観察し、正しく記録し、正しく対応すること。 それが彼女に与えられた役割だった。 しかし、ある患者の存在をきっかけに、その“正しさ”は少しずつ揺らぎ始める。 監視カメラに映るはずのない視線。 誰もいないはずの空間で起こる反応。 そして、記録と現実のわずかなズレ。 患者が変わるたびに、病棟の“異常”は姿を変え、 ゆらは次第に気づいていく。 ――自分は本当に「観測している側」なのか。 それとも、すでに「観測されている側」なのか。 静かに管理されたはずの病棟で、 今日も“正常な記録”だけが積み重なっていく。 それでも、"何かだけ"がおかしいまま、 この病棟は今日も、静かに稼働している。

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小説を読もう2026/06/14
  • 現在の作品夢幻病棟 ―カルテは正常に記録中 ―