あらすじ
「誰のためにも働かない。俺の半径5メートルの平穏を邪魔する奴は、神だろうが国だろうがデバッグ(消去)する」
現代日本で過労死するまで使い潰された元天才プログラマー・水無月輝元は、異世界へと転移し、「テリー」として森の奥深くに引きこもっていた。彼の望みはただ一つ、異世界版コープデリと冷えたビールに囲まれた、誰にも邪魔されないスローライフを送ること。
しかし、この世界には「神々によるやりがい搾取」と「国家・教会による権力支配」が蔓延していた。
テリーが森の中で極秘裏に開発した「特効薬」の利権を狙い、王宮と教会が傲慢に介入してくる。さらに、隣接するダンジョンの出現で、平穏な庭は冒険者たちの騒音に侵食されてしまう。
「あー、うぜえ。まとめてミュート(排除)しとこ」
神から奪い取った『万象解明システム』の管理権限を使い、テリーは世界の理を書き換える。
王女からの婚約破棄(という名の王命)も、貴族の決闘騒ぎも、すべては「スローライフ維持」のためのデバッグ対象。
ときには小さな商会の娘・ミーナと協力して独自の物流網を構築し、ときにはダンジョンのコアを奪って我が庭の一部に変え、冒険者ギルドを冷徹に交渉でねじ伏せる。
これは、世界を救うつもりが全くない最強の引きこもりが、自分の「好き」を守るために国家や神々のバグを修正(デリート)していく、痛快で皮肉な異世界スローライフ譚。