あらすじ

俺の名前は白墨。 高校卒業を間近に控えた、ごく普通の学生だった。 だが、一度の誕生日パーティーが、すべてを変えた。 揺らめく照明。 影の中から伸びる、氷のように冷たい手。 気がつけば、一本の白い蝋燭が無理やり俺の手に押し込まれていた。 そして、かつての同級生が、人ならざる声で囁く。 「その白蝋燭を持て……絶対に消すな……早く逃げろ……ここから離れろ……」 弱々しい炎は、濃密な闇の中で狂ったように揺れ続ける。 俺は走った。 背後には死寂。 それなのに、無数の視線が闇の奥からこちらを覗いている気がする。 そして気づいてしまった。 この宴も、この世界も――すべてが偽物なのではないか、と。 蝋燭の灯りだけが、残された唯一の希望。 だが、その炎が揺れるたび、命の残り時間が削られていく。 極限の恐怖の中で俺が願ったのは、ただ一つ。 ――家に帰りたい。 ――死ぬ前に、もう一度だけ両親と食卓を囲みたい。 白い蝋燭が照らす先に待つのは、生還か、それとも絶望か。

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カクヨム
カクヨム2026/06/14
  • 現在の作品道詭途説