あらすじ
キロプリ基地はすでに見捨てられていた。
そこには三千匹の魔猫と、第三方面部隊書割小隊書記官の僕だけがいる。
魔猫たちはおとなしく、暖かく、そして何を考えているのかわからない。ときどき補給物資が届くほかは、誰も訪れない。僕は業務日誌を書き、基地を見回り、魔猫に囲まれて眠る。
そんなある日、魔生物研究者を名乗る男が現れた。
それから時折、電話が鳴るようになる。
誰かと話したい。たったそれだけのことが、こんなにも難しかっただろうか。
見捨てられた基地で暮らす男と三千匹の魔猫の、少し不思議で静かな物語。