あらすじ
異世界転生が技術として実用化された未来。
17歳の孤児キツキは、転生設定を一時保存するつもりで、未完成のまま実行してしまう。
頼んだのは、「無限の魔力」「すべての魔法と言語を使える」「健康な体」「容姿端麗」「何でもわかる壊れないメガネ」、そして続きを決めていなかった「最高にかわいいヒロインと――」。
どれも確かに願いどおりだった。
ただし、すべてが致命的なまでに説明不足だった。
無限の魔力があっても、鍛えていない回路はクラス1。すべての魔法を使えても、術式を知らなければ発動できない。メガネは目の前のあらゆるものを解析できるが、その処理にはキツキ自身の脳を使う。そして「健康な体」にも、彼の想像とはまるで違う危険な仕様が隠されていた。
転生初日、中立都市ミザルのギレル魔法学院で、キツキはフォルテア王国第3王女レニアと出会う。
世界最高峰の美貌と、17歳でクラス3に到達する才能を持つ少女。
キツキは暴走事故から彼女を救い、最高の出会いを果たしたつもりだった。
しかし、返ってきたのは感謝ではない。
「私は、放っておいてほしかった」
軽い気持ちで最強を望んだ少年は、知識も経験もないチートが、ただの宝の持ち腐れにすぎないと思い知る。
もう二度と、あんな恐怖と痛みを味わいたくない。
その一心で始めた泥臭い鍛錬は、やがてレニアをはじめ、破滅の運命を背負ったヒロインたちとの出会いへつながっていく。
彼女たちとぶつかり、惹かれ合い、ときに傷つけ合いながら、キツキは説明不足だった6つの力を、本物の強さへ鍛え上げていく。
人生そのものを移す永住型転生。元の肉体を捨て、転生先で新たな肉体を構築する方式だ。
最強を頼んだ。届いたのは、努力しなければ使えない力だった。
これは、最強になれると思い込んでいた未熟な少年が、努力によって力をつかみ取り、破滅予定のヒロインたちを救うまでの物語。