あらすじ

迷宮は、人を殺す。 けれど本当に厄介なのは、殺した後だった。 死んだ者の声を覚え、帰りたいという未練を食い、次の誰かを呼ぶ。 「助けて」「置いていくな」「ここにいるよ」 その声に返事をした者は、もう迷宮の外へまっすぐ帰れない。 ノラ・ヴェイルは、町外れの小屋診療所で怪我人を診ながら、迷宮帰りの違和感を拾う救助屋だ。 相棒は、匂いと気配を読む小さな黒い魔物ヨル。 依頼はいつも、救助、所在確認、患者の証言、町の小さな異変から始まる。 ノラは最初から迷宮を閉じるために動くわけではない。 けれど、その穴が死者の声を使って次の犠牲を呼んでいると分かった時、彼女は核を奪い、迷宮を閉じる。 救える命は救う。 取り戻せない声は、せめて次の罠にさせない。 これは、死者を戻す物語ではない。 死者の声で、次の誰かを呼ばせないための物語。

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小説を読もう2026/06/14
  • 現在の作品迷宮閉葬―救助屋ノラと声を喰う迷宮―