あらすじ

鉄。不純物を取り除き、精錬していく。数千度で溶かされ、真っ赤に燃えたぎる物質は冷やし固められやがて鈍色の塊となる。 暗闇の中でわずかな光を受け、その重く冷たい輝きはかすかに青みを帯びる。時が経ち、風雨にさらされ、鉄は錆びていき、不純物をその身に再び蓄えていこうとする。 これは、その錆を削ぎ落とし、研ぎ、磨き、純粋な鉄に戻ろうとしてあがく男の物語である。 舞台は瀬戸内― 潮風香る小さな町で巡り合うそれぞれの「鉄」をもった男たち。事業に失敗し自己破産の末、さび付いた鉄となり芯すらも折れた男、福山勝は元真剣師の老人と出会う。挫折、喪失の果てに錆を削ぎ、己を見つめ直す旅が始まる。

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小説を読もう2026/06/14
  • 現在の作品鉄火、錆を削ぐ