あらすじ

僕を殺した犯人は、僕だった。 幻都アガルタ。雨と地下鉄と古い記録に満ちたその街で、ショーダンサーの女性、エミー・グレイス・ハーパーが殺された。 高校生の御影レイは、その死を夢で見ていた。 被害者として喉を裂かれた恐怖。加害者として黒いナイフを握った感触。雨の匂い、赤い照明、死にたくないという声。すべてを覚えている。 なのに、犯人の顔だけが思い出せない。 レイは、同じ魂を持つ別人――同魂者たちの記憶を観測する少年だった。彼にとってエミーの死は、最初は「僕がひとり死んだ」だけの出来事だった。 だが、事件を追う新聞部の少女・白瀬真昼は、それを許さない。 「関係ない人が殺されたら、誰も名前を呼ばなくなるでしょ」 被害者も、加害者も、目撃者も、すべて自分。 それでも、同じ魂なら同じ人間なのか。 黒い傘の殺人者《オメガ》は、なぜ同魂者を殺し、その記憶を奪うのか。 これは、自分を殺す物語ではない。 自分ではない自分の名前を、取り戻す物語。

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小説を読もう2008/04/02
  • 現在の作品多元人格アルファ―幻都アガルタの自分殺し―