あらすじ
国立の呪術専門高校に通う、落ちこぼれ神職の神宮寺 京(じんぐうじ きょう)。
彼が持つ異能は『触れた呪力を霧散させる』という、地味で射程ゼロの最低ランクのスキルだった。
ある日、京は落ちこぼれ用のCランク任務で、大手陰陽師一族の廃屋へと向かう。
そこで彼が見つけたのは、強力すぎる『呪いの目』を持って生まれたせいで実家から座敷牢に監禁され、最後は怪異への生贄として置き去りにされた少女――神楽坂 彩(かぐらざか さや)だった。
「……殺して。もう、痛いのはいや」
暴走する彼女の呪力で世界が崩壊しかける中、京はただその小さな体を抱きしめる。
京の『無効化』によって、生まれて初めて呪いの激痛から解放され、静寂を得た彩。
行くあてのない彼女を、京はなし崩し的に学園の自室へと連れ帰り、同居生活を始めることに。
まともな食事すら与えられてこなかった彩は、京が作った普通の肉じゃがを一口食べると、ポロポロと大粒の涙を流した。
「……おいしい。私、生きてて、いいの?」
それからの彩の、京への依存度は完全に限界を突破していた。
学校では怯えるように京の服の袖をぎゅっと掴み、彼が1センチ離れるだけで不安そうな顔をする。
だが、呪術学園の任務(ダンジョン化怪異の討伐)にバディとして出向いた時、彼らの真の恐ろしさが覚醒する。
エリートの同級生たちが京を「底辺」と見下し、怪異の手によって京の頬にほんの一筋の切り傷がついた、その瞬間。
彩の目からハイライトが消え、世界の理をねじ曲げるほどの最凶の呪力が解き放たれる――。
「……私の京様に、何したの? ――あいつら、一族もろとも呪い殺す」
「彩、落ち着け! 俺の袖を掴んだまま世界を滅ぼそうとするな!!」
これは、世界に絶望した不憫すぎる少女が、自分を救ってくれた底辺神職を全肯定し、二人で現代社会の闇と怪異を蹂躙していく、狂気と純愛の現代和風ファンタジー。