あらすじ
巴蛇(ハダ)――中国に伝わる巨大な黒蛇。
その蛇が消化した骨は、古くから「心腹之疾」、すなわち治療困難な病を癒やす薬になると語られてきた。
一方、ウロボロスは自らの尾を喰らい環となる蛇、あるいは龍である。輪廻、循環、永劫、そして不老不死の象徴。その姿が二匹の蛇で描かれるとき、それは同族同士の共喰いを意味するとも言われる。
これは2021年の日本を舞台にした物語。
愛する者を守るために罪を犯した一人の青年が、正義と悪の狭間で揺れ動きながら、自らの運命と対峙していく。
終わりなき循環の中で、彼が選ぶのは救済か、それとも破滅か――。