あらすじ
婚約破棄された。
国外追放もされた。
でもヴィオラ・フォン・ローゼンバーグは泣いていない。
むしろ大喜びだった。
嫌いな王子との婚約も、面倒な貴族社会も、これで全部終わりだからだ。
隣国で静かに暮らす。
そのための準備も何年も前から済ませていた。
だから安心していた。
長年仕えてくれた侍従セバスチャンが、
「少々、後始末をして参ります」
と言い残して王都へ戻るまでは。
数か月後。
国が滅びかけているという噂が届く。
どうやら私の侍従が何かしたらしい。
でも本人はこう言うのだ。
「私はただの侍従Aでございます」
――主が静かに暮らしたいと言ったので、国を少し片付けました。