あらすじ
あらゆる努力を怠り、気に入らないことがあれば癇癪を起こす。
名門貴族ヴァルドール家の恥晒しとまで呼ばれた少年、アラン・ヴァルドール。
しかし彼は、ある日を境に生まれ変わった。
周囲を敬い、逃げ続けていた現実と向き合い、誰よりも努力を始める。
その結果、圧倒的な才能が開花した。
剣を握れば三日で騎士を打ち負かし、魔法を学べば一週間で熟練者の域に到達する。
誰もが神童の誕生を祝福した。
――ただ一人を除いて。
十五歳の新米騎士ハルガ。
剣に人生を捧げ、誰よりも努力してきた少年は、初めて剣を握って三日目の八歳児に敗北した。
才能の差は、あまりにも残酷だった。
「どうして勝てなかったんだ」
心を折られ、それでも剣を捨てられなかったハルガは、再び立ち上がる。
これは、悪役貴族が怪物になる物語ではない。
怪物を目の当たりにし、それでも追い続けてしまった凡人騎士の物語だ。
世界はまだ知らない。
本当に恐ろしい怪物が、これから目を覚ますことを。