あらすじ
昔、人と神が同じ空を見上げていた頃。
女神の愛と、父神の呪いから生まれた吸血鬼たちは、人の世に正体を隠して生きていた。
武将の家に生まれた裴星揺は、家族思いだが気が強く、騒ぎを起こしては兄や姉を困らせる令嬢。
ある春の日、婚約を祝う宴の席で、亡き母の形見である銀の簪を池へ落とされてしまう。
理不尽な仕打ちに耐えきれず騒ぎを起こした星揺を救ったのは、黒い日傘を差した美しい青年――龍国公家の嫡男・龍昊然だった。
皇帝の懐刀であり、戦場では「夜の龍」と恐れられる昊然。
冷たく、人を寄せつけず、ほとんど感情を見せない彼には、誰にも知られてはならない秘密があった。
彼こそが、女神の血と神の呪いを受け継ぐ龍家の吸血鬼だったのだ。
もう二度と会いたくないと願う星揺と、彼女の名さえ気に留めない昊然。
けれど、母の簪が池へ沈んだあの日から、二人の運命は静かに動き始める。
これは、遠い未来へ受け継がれる血と誓い、そのすべての始まりとなった物語。
『blood 血の誓い』へとつながる、夜の龍と一人の令嬢の恋物語。