あらすじ
高校二年生の春。
神谷蓮人は、小学生の頃に引っ越した故郷の村へと帰ることになる。久しぶりに踏む故郷の村は人里離れた山々に囲まれる閉鎖的な場所であり、十年ぶりだというのに記憶にあるものとそう違っていなかった。
だが、蓮人は肝心なことを知らなかった。
帰ってきた日の夜。
窓の外から聞こえてきた。
「ぽぽぽ……」
その、声は何処か聞いたことのあるようなもので───。
「……貴方は?」
───蓮人が村を引っ越した理由。それは親の転勤などではなかった。
十年前のあの日、蓮人は『八尺様』に魅入られたのだ。
村は総出で儀式を行い、主人公を村の外へ逃がしたのである。それを、幼き日の蓮人は知らなかった。
「ぽぽぽ……」
恐ろしき怪異の声。
それに魅入られ、惹かれた者の末路は───。
「あ、あの……何で、僕はずっとぎゅってされているの?」
悪霊は人のうわさによって姿形を変える。
村で長らく畏れられるその怪異は、ネット社会に蔓延るある『流行り』により、その姿を大きく変えていた。
高校生となった蓮人。
その背丈は昔とそう変わらず、彼はショタと言える見た目のままだった……。