あらすじ
お前ら、人間に生まれたってだけでどれだけ人生イージーモードか分かってんの?
俺の生まれた国じゃ、額にちっこい角が生えてるってだけで「汚れの種族」行き。税金は人間の倍、仕事は王都の肥溜め掃除か、いつ生き埋めになるか分かんねえ炭鉱の二択。街を守る冒険者ギルドの建物なんて、敷地に入っただけで犬みたいに追い回されるのがオチ。
あ、言い訳してる訳じゃないよ? これ、俺たちの「いつもの日常」だから。
向こうから間の抜けた人間の新米冒険者が歩いてくれば、俺たちは無言で道の端に寄って、冷てえ泥水に膝をついて通り過ぎるのを待つ。別に悔しくもない。ただの「そういう決まり」だ。
理不尽だの差別だの、そんな小難しい言葉でキレるステップなんてとっくに終わってんだよ。雨が降ったら濡れるのと同じ。ただ生きてるだけで、毎日泥が降ってくる。それだけのこと。
だってさ、俺には守りたいものがあったからね。