あらすじ
中学時代、「世代最高の投手」と呼ばれた八神蓮。
最速143キロの右腕は、全国大会準決勝のマウンドで壊れた。
右肘内側側副靱帯断裂——トミー・ジョン手術。
強豪私学からの誘いは全て消えた。
壊れた投手に用はない。それが高校野球の現実だった。
ただ一人、手を差し伸べた男がいた。
「うちで投げろ。——俺もこの肘を壊したことがあるから、わかるんだ」
湘南商業高校。通称S商。
甲子園春夏通算8回出場、全国制覇1回の古豪。
だがかつての栄光は過去のもの、今はベスト16止まりの公立校。
参加校180超。日本一甲子園が遠い県、神奈川。
横濱学院、東海大相武、慶修義塾——私学四強が支配するこの地で、
スカウトも寮もない公立が、再び頂点を目指す。
壊れた腕と、止まった名門。
二つの「再起」が重なるとき、180校の頂点への物語が動き出す。
「もう一度、あの丘に立つ」
挫折と再起の3年間を駆け抜ける、本格高校野球長編。