あらすじ
不幸体質で、誤解を受けやすい神父がいた。
彼の顔は、「じめじめしていてキノコが育ちそうと」評されるほど彫が深く暗い。
笑顔を浮かべれば悪事を企んでいると誤解され。街を走れば凶悪犯が逃亡中だと誤解され。子供を窮地から救えば幼児性愛者であると誤解され。子供をあやせば食い殺されると恐怖され。女性とぶつかれば犯されるもと誤解されて泣き叫ばれた。
何をしても誤解をうけ、様々なあだ名や異名が増えていく。
ならば静かにしていようと黙っていても人間離れした筋骨と巨躯も相まって不穏な誤解はさらに加速してしまう。
そんなひどい誤解をうけ続けてもけっして腐らず。心の中では毒づきながらも、聖職者として誤解する人々をも救うために生きていた。
新たに訪れた町でも誤解が誤解を生み、根も葉もない噂がたちまち拡散する。
だがある日、盲目の少年との出会いが彼の人生に光明をもたらす。
盲目の少年は彼の見た目ではなく、心の中を見ていた。
そして少年は誤解した。その神父が完全無欠の聖人であると――。
その中身は性人であって生殖者であるともしらずに。
※現代で使われる四字熟語、和製英語、カタカナ、英語、各国の歴史由来の言葉などが使われています。例としては「ナイス」や、相撲を由来とする言葉の「番狂わせ」など。
極力スムーズに書き、読み進められる作品づくりを意識しての判断です。
物語の世界では別の言語に変換されているものとしてお読みいただければ幸いです。
特定宗教を貶める意図はなく、啓蒙を目的とした作品でもありません
この作品はフィクションであり、実在の宗教・文化とは関係ありません