あらすじ
金髪、鋭い目つき、そして一撃でプロ格闘家すら沈める拳。
“鉄拳”――そう恐れられる高校生・昼間斗真。
だがその正体は、両親を失い、たった一人の妹・琳を育てるために、バイトと家事と家計管理に追われる、ただの兄だった。
弱者を食い物にする不良から金を奪い、妹の未来のために貯金する。
そんな綱渡りの生活も、大学進学という現実を知ったことで限界を迎える。
妹を大学へ行かせるためには、今のままでは金が足りない。
その焦りから、斗真は先輩に紹介された“高額な闇バイト”に手を出してしまう。
スマホを貸し、ある女と一緒にいるだけ。
それで十万円。
そんな簡単な仕事のはずだった。
しかしそれは、裏社会の殺し屋同士の“選別”だった。
目の前で人が死ぬ。
頭に銃を突き付けられる。
そこで斗真が出会ったのは、ぼさぼさの黒髪に灰色のフーディーを羽織った、どこにでもいそうな少女。
だが彼女は、拳銃一発で標的を仕留める、フリーランスの殺し屋だった。
「OK、ボス」
殺したばかりの死体の前で、少女は初めて口元を笑わせる。
営業力も、組織も、後ろ盾もない。
あるのは、安物の自作銃と、どんな修羅場でも生き残ってきた異常な才能だけ。
交渉力も社会性も皆無な少女殺し屋と、喧嘩と家事だけは誰にも負けない高校生。
二人はひょんなことから、殺し屋と依頼人を繋ぐ“仲介屋”として裏社会へ足を踏み入れる。
人を殺すことでしか生きられない少女。
人を守るために拳を振るってきた少年。
正反対の二人が出会ったとき、裏社会の均衡は静かに崩れ始める。
これは、名前すら知らなかった誰かの死から始まる、最悪で最高のバディストーリー。