あらすじ
人間を理解したかった。
それだけだった。
高校生だったクレは、ある日突然異世界へ転移する。
見知らぬ森。
見知らぬ村。
見知らぬ人々。
生きるために働き、村娘ツムギと出会い、街へ出る。
そこでクレは、一人の奴隷と出会った。
うるさくて、明るくて、どこか壊れている獣人の少年アルバート。
金で人が売られる世界。
笑いながら傷つく人間。
理解できないまま苦しむ貴族の令嬢。
理解することを諦めた男。
人はなぜ生きるのか。
なぜ傷つくのか。
なぜ他人を求めるのか。
知りたい。
ただ、それだけだった。
けれど世界を知るほど、クレは気づいていく。
魔物は分かる。
森も分かる。
命も少しは分かる。
それなのに、人間だけが分からない。
これは世界を救う勇者の物語ではない。
人間を理解したい一人の少年が、
異世界で一番理解できなかった人間を見続ける物語。
――人間を理解したい俺が異世界で一番理解できなかったのは人間だった。
作品