あらすじ
解剖医・九条雅紀が、港湾倉庫で惨殺された。
現場に残されていたのは、複数の人物名に読める曖昧な血文字、倉庫の外へ投げ出された凶器、そして死の直前まで何かを守ろうとしたかのような遺体の姿。
刑事・真壁彰と広報担当の二階堂壮也は、友人であり、事件を読む側だった九条の死と向き合うことになる。
やがて解剖によって、九条が自らの体内に“死後にしか届かない証拠”を残していたことが判明する。
血文字は告発ではない。凶器の位置も偶然ではない。九条は、自分が殺される可能性さえ織り込み、死体そのものを最後の捜査装置に変えていた。
真壁たちが辿り着くのは、医務院、港湾ルート、そして死体処理の裏で隠されてきた犯罪構造。
死んだ解剖医が最後に遺した真実を、残された者たちは読み解けるのか。