あらすじ
孤児院で「九番」と呼ばれていた少女ノインは、ある日突然、エドラー伯爵家の養女として引き取られる。
けれど、それは幸せな養子縁組ではなかった。
伯爵家の令嬢エミリアの代わりに、“化け物公爵”と恐れられるフェルディナンド公爵へ嫁がせるためだったのだ。
角と鱗を持ち、呪われた姿をした公爵。
誰もが恐れ、近づこうとしない彼のもとへ、ノインは身代わり花嫁として差し出される。
だが、恐ろしい噂とは違い、フェルディナンドは不器用ながらもノインを大切に扱ってくれる人だった。
孤児院でも伯爵家でも居場所を持てなかったノインは、初めて「守られる」温かさを知っていく。
やがてノインは、自分に人の痛みを和らげる不思議な力があることに気づく。
その力は、フェルディナンドを苦しめる呪いにも届くかもしれなかった。
一方、ノインを身代わりとして捨てた伯爵家は、彼女が公爵家で大切にされ、癒し手として認められていく姿を見て、嫉妬と後悔に狂っていく。
捨てられた孤児だった少女が、呪われ公爵の孤独をほどき、ただの身代わりではなく本当の花嫁になるまでの、優しい逆転恋愛譚。