あらすじ
「ここは、私にとって唯一の秘密の隠れ家だ」
数千億円の資産を動かし、データと効率を最優先する気鋭の巨大IT企業CEO、九条零(α)。
激務と孤独からフェロモンバランスを崩した彼は、冷たい雨の降る日、路地裏の小さな古書店「小鳥遊書房」に迷い込む。
そこで彼を救ったのは、店主である青年、小鳥遊文(Ω)の淹れた温かい紅茶と、彼がまとう穏やかで甘い香りだった。
住む世界が全く違う二人。
しかし、九条は素性を隠して店に通い詰め、アナログで非効率な空間と文の存在に心癒されていく。
やがて再開発の魔の手が古書店に迫ったとき、九条は莫大な資金力と権力で文の世界を守り抜くことを決意する。
そして訪れる、文の突然のヒート。
「……少し、痛いかもしれない。だが、すぐに終わる」
暴走する本能のなか、九条は文のうなじに永遠の愛を誓う「番の印」を刻み込んで――。
冷徹なスパダリCEOと、穏やかな古書店主。
正反対の二人が互いの「余白」を埋め合い、不器用ながらも深く愛を育んでいく、極上の溺愛オメガバース物語。
【登場人物紹介】
◇九条零(くじょう れい)
28歳。気鋭の巨大IT企業CEO。α。データと効率を最優先し、デジタル社会の最前線を走るが、激務と孤独からフェロモンバランスを崩しがち。不器用だが、一度心を許した相手には深い愛情を注ぐ。
◇小鳥遊文(たかなし ふみ)
25歳。路地裏にある古書店「小鳥遊書房」の若き店主。Ω。紙の本の手触りや、ゆったりと流れる時間を愛する。穏やかで芯が強く、自分の価値観を大切にしている。
◇千石進(せんごく すすむ)
30歳。九条の右腕として働くCOO。β。冷徹に見える九条の人間らしい一面を理解し、陰ながらサポートする有能なビジネスパートナー。
◇万丈目学(ばんじょうめ まなぶ)
26歳。文の幼馴染で、書店の近くでカフェを営む店長。β。文の保護者のような存在で、九条が文に近づくことを最初は警戒する。
◇億田円(おくだ まどか)
45歳。九条のライバルIT企業の社長。α。強引で利益至上主義な性格。小鳥遊書房のある一帯を再開発するため、非道な手段で文に立ち退きを迫る。
◇兆野広(ちょうの ひろし)
22歳。九条の会社に入社したばかりの新入社員。β。生粋のデジタルネイティブだが、小鳥遊書房のアナログな空間に魅力を感じ、SNSを通じてその価値を新たな形で広める。