あらすじ
残業まみれの社畜だった俺は、ある朝、あっけなく事故死した。
薄れる意識に響いたのは、正体不明の女神の声。
『そんなにやり直したいなら、やり直させてあげる』
『——別の世界で、残機が尽きるまで、何度でも』
目を覚ますとそこは、前世で三千時間やり込んだロボットゲーム『アーティファクト・インフェルノ』の世界。
しかも俺は、その主人公——エースパイロット・幸村零次になっていた。
暴走AIの軍勢を相手に、人類は性能で劣る人型兵器〈DAGGER〉と操縦の腕だけで抗う絶望的な戦場。けれど何周も遊び尽くした俺には、敵の出現位置もイベントの日付も攻略法も、全部頭に入っている。
仲間は、年下の天才師匠、世話焼きの幼馴染、ダウナーな同期、ポンコツ美人隊長、じっとり目の腐れ縁——なぜか原作開始時点で全員好感度MAXの美少女パイロットたち。
おまけに女神いわく、残機は尽きるまで何度でも。
——どう考えても、勝ち確の人生リスタートだろ。
だが、彼は知らない。
自分がもう、何度も死んでいることを。
死ねばその日の朝へ巻き戻り、本人の記憶から死は消える。
代わりに覚えているのは、彼に想いを寄せる少女たちだけ。
彼が死ぬたび、ヒロインたちは夢の中の暗い映画館に座らされ、スクリーンに映る「死に様」を最後まで見せられる。
無限に見える残機の燃料は、彼女たちの心。
彼が誰かを守って死ぬほど——その善意の数だけ、少女たちは静かに壊れていく。