あらすじ
毒の聖女である私は、婚約者であるアルテュール王子のいる王都から離れ、辺境で魔物退治に従事していた。
三年の間、一度も会うことなくやっと王都に戻ることになれば、アルテュール様の隣に寄り添う癒しの聖女、エリサの姿が。
癒しの聖女と王子のロマンス。そんな噂は辺境にいても耳に届いていた。
三年ぶりに会ったアルテュール様は、無表情のまま、挨拶しか受けてくれない。
噂通り、私を捨ててエリサを選んだのね。
辺境から帰ってきても、私とアルテュール様との面会は未だない。
しかし、王の計らいでアルテュール様に会うことになれば、私は感情が昂まったか、今までの想いが溢れるように口から出てきて、止められなくなってしまった。
何かがおかしい。体は熱く、胸はドキドキして、見ればアルテュール様も私の顔を見ながら、頬を赤く染めている。
「ハンカチで口元を覆ってください! 窓を開けて!」
気付いたときにはもう遅い。アルテュール様は「もう無理だ」と言って、私に覆い被さった。
何が無理!? 婚約破棄をするのか聞きにきたのに、ここで何をするって!?
仕込まれた催淫剤。これでは、まるで私が犯人のようではないか!!
ちょっと待って、私は犯人ではないわよっ!?
事後は何でもないように接しながら、「婚約破棄はしない」宣言。
なのにいつも通りエリサと一緒。無理に責任を取ろうとしなくていいのに。
エリサは私の実験にケチをつけてくるし、アルテュール様の妹のクリスティナ王女は、過去の事件を根に持って、ネチネチうるさいし。
私はもう、アルテュール様の考えていることはわからない!
でも、私を毒の聖女として支えてくれたことは、どうしても忘れられなくて。
いつまでこんな気持ちでいなければならないの?
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