あらすじ

五十三歳の元会社員・日向透吾は、異世界の修道院に拾われ、薄い豆粥と黒パンの日々を送っていた。 ある日、巡礼中の聖女セラフィナが修道院を訪れる。 食事に困る修道院のため、透吾は最後の日本の味――カップ麺を差し出した。 三分で完成する温かい食事。 現代日本の技術。 異世界にはない香りと味。 聖女は確かに「美味しい」と言った。 だが次の瞬間、彼女は静かに問う。 「これは、あなたの料理ですか?」 食品メーカーの技術、工場の労働、物流の奇跡。 それらを自分の手柄のように誇っていた透吾は、聖女の一言で思い知らされる。 自分は、ただ湯を入れただけだったのだと。 ならば今度は、自分の手で誰かをもてなしたい。 醤油も味噌もない異世界で、失敗しながら、学びながら、五十三歳から料理人を目指す。 これは、借り物の文明で上に立とうとした男が、異世界の食材と人々に向き合い、本当の料理を作るまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/12
  • 現在の作品聖女にカップ麺を出したら「それはあなたの料理ですか」と言われた件 〜湯を入れただけの俺が、異世界で料理人になるまで〜