あらすじ

大学二年生の高瀬律には、絶対に言えない恋がある。

相手は、推理小説研究会の会長・鳴海遥。
冷静で、美しくて、誰よりも鋭い推理をする先輩。律にとって彼女は、近くにいるのに手の届かない人だった。

けれど大学祭前夜、旧図書館――通称・雨音図書館で教授が殺される。
現場は内側から鍵のかかった密室。残された血文字は「VII」。そして、凶器に触れていた可能性がある人物として、遥の名が浮かび上がる。

「律くんも、私を疑ってる?」

そう問われて、律は答えるしかなかった。

「疑っています。でも、犯人だとは思っていません」

信じたい。
でも、疑わなければ救えない。

事件をきっかけに、律と遥は互いの想いを隠したまま、真相を追い始める。雨の中の相合傘、停電した地下書庫で離せなかった手、言いかけて飲み込んだ言葉。二人の距離は少しずつ近づいていくのに、事件と誤解がその恋を何度もすれ違わせる。

やがて、事件を解くたびに仲間が増えていく。
元刑事、孤独な令嬢、毒舌な女子高生、弁護士崩れ、医学生。最初は空っぽだった月城旧館には、少しずつ誰かの席が増え、騒がしくて愛おしい居場所になっていく。

だが、彼らにいつも助言をくれる調査支援AI「栞」には、誰にも言えない秘密があった。

密室、暗号、死体の身元誤認、時刻錯覚、連続事件の偽装。
すべての事件を解いた先で、律たちは知る。

ずっと探していた真犯人は、ずっと自分たちに答えを教えていたのだと。

これは、恋にだけ不器用な大学生たちが、本格ミステリーの謎と、解けない恋心と、最後に待つ涙の真相へたどり着く物語。

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アルファポリス
アルファポリス2026/06/12
  • 現在の作品好きな先輩を救うには、彼女を疑うしかなかった 〜密室よりも解けない恋をしている〜