あらすじ
記録が人の罪と証言を管理する世界。
記録保管所で働く見習い記録者リュカ・エルムは、ある日、一つの奇妙な記録を発見する。
――生きている少女の毒殺記録。
少女リナは確かに生きている。
それなのに、保管庫には彼女が毒殺されたことを示す記録が残されていた。
なぜ存在しない事件の記録があるのか。
誰がその記録を残したのか。
そして、記録に書かれなかった声はどこへ消えたのか。
調査を進める中でリュカは、毒殺未遂事件の真相だけではなく、人の理由より先に別の理由が記録されてしまう仕組みそのものへ辿り着いていく。
これは、消された声を拾い直すための記録ミステリー。