あらすじ
--- あらすじ ---
時は戦国。瀬戸内の神の島・大三島に、鶴丸と鶴姫という名の二羽の鶴がいた。
双子として産まれ、鏡写しの姿かたちをした鶴たちは、一羽は神職の娘として神に仕え、もう一羽は足軽の子として海に生きた。
互いの存在を知らぬまま育った二人は、ひょんなことから出会い、真の兄妹となる。
やがて大内氏の軍勢が神の島に迫った時、鶴丸は妹の身代わりとして戦場に立つことを選び、見事敵を撃退する。
それから二年後。大内の重臣・陶隆房率いる百五十を超える大船団が、神の島を力で屈服させんと押し寄せてきた。
鶴丸は再び鶴姫として戦場に立つ。愛しい妹と神の島の未来を守らんがために。
これは、伝説になった鶴姫の話ではない。
伝説の闇に消えていった、もう一羽の鶴の物語である。
--- 登場人物紹介 ---
鶴丸(つるまる)
大山祇神社の大宮司・安用の子。鶴姫の双子の兄。要らぬ子として捨てられ、足軽・中津治右衛門に育てられた。常に頭巾を被り、顔を隠している。
鶴姫/お鶴(つるひめ/おつる)
大山祇神社の大宮司・安用の息女。鶴丸の双子の妹。三島大明神に愛された神の娘。じゃじゃ馬と呼ばれる気性の持ち主だが、その芯には揺るぎない意志がある。
中津治右衛門(なかつ じえもん)
三島水軍の足軽。鶴丸の育ての父。寡黙だが深い愛情で家族を支える。
大祝安用(おおほうり やすもち)
大山祇神社の大宮司。鶴丸と鶴姫の実父。神の名のもとに冷酷な決断を下した男。
大祝安舎(おおほうり やすおく)
安用の長男、鶴姫の兄。重い決断を静かに背負う男。
越智武丸/安成(おち たけまる/やすなり)
鶴姫の許婚者。誠実で芯の強い青年。
陶隆房(すえ たかふさ)
大内氏の重臣。大三島攻めを主導する。