あらすじ

港湾倉庫で発見された惨殺死体。 被害者は、警察と幾度も事件を追ってきた監察医・九条雅紀だった。 刑事・真壁彰は、幼なじみでもある九条の遺体と対面する。現場には、複数の意味に読める血文字、倉庫の外に投げ出された凶器、そして腹部を守るように折れた腕が残されていた。 解剖の結果、九条は自らの体内にラミネート片を飲み込み、死後にしか見つからない証拠を仕込んでいたことが分かる。 彼はただ殺されたのではない。自分の死体を、事件の構造を暴くための最後の証拠保管庫に変えていた。 真壁、二階堂、若手解剖医・堀島、医務院副院長・本郷。 九条の死をめぐって、それぞれの立場と記録が交差する中、捜査は過去の拘置所死亡案件と港湾補助便の闇へと繋がっていく。 死者を処理する制度の中で、九条は最後まで死者の側に立った。 これは、殺された監察医の遺した証拠が、閉ざされた犯罪構造を暴き出す医療ミステリー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/06/12
  • 現在の作品解剖台の継承者 ――殺された解剖医は、胃の中に最後の証拠を残した