あらすじ

聖水を飲んだ子が、また倒れた。 山裾のミルダ村では、腹痛、吐き気、手足のしびれを訴える村人が相次いでいた。聖女の治癒魔法で目の前の患者を救っても、翌朝には別の家から次の患者が出る。聖水を配っても止まらない異変に、村人たちは不安を募らせ、やがて「聖女でも止められないのか」と責める声まで上がり始めた。 王都中央治療院の記録係リョウコだけは、そこで別の違和感に気づく。 治療で目の前の患者を救うことと、新しい患者を出さないことは、別の仕事だ。 リョウコは前世が日本の保健所職員だった凡人枠転生者。剣も魔法も使えない。できるのは、名前を聞き、発症日を並べ、飲んだ水と食べたものを確認し、村の地図に赤い小石を置いていくことだけ。 だが、赤い小石は人を追っていなかった。 祟りでも、信仰の深さでもない。 追っていたのは、水路だった。 聖水は人を責めるためのものではない。 祈りを止める必要はない。 止めるべきは、毒水だ。 これは、奇跡を否定せず、奇跡だけに背負わせないための物語。 前世保健所職員のリョウコが、普通の疫学調査で感染源を追い、その正体が汚染源だと突き止める話。

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小説を読もう2026/06/12
  • 現在の作品聖水を配っても疫病が止まらない村で、前世が保健所職員だった私は普通の疫学調査で感染源を見つけることにした