あらすじ
『やめてやる、祝ってくれなきゃ……やめてやる。 』
「お給料が他より安くても
お誕生日を盛大に祝ってくれるなら!」
……そんな求人票の甘い言葉を信じ
名門アストラル公爵家で働き始めた新人メイドのアイナ。
しかし……いざ迎えた誕生日は華麗にスルーっ!?
後輩庭師の誕生日は
シャンパンが飛び交う狂乱のどんちゃん騒ぎ!?
「……信じた私が、馬鹿だった。
こんな職場、絶対に辞めてやるッ!」
……怒りと悲しみを胸に
退職願を叩きつけようとしたアイナ。
しかし、彼女が目にしたのは
ボロボロの人形を前に
半泣きで針仕事に苦戦する不器用な当主の姿だった。
(……辞めるんだから、放っておけばいいのに。
でも……)
それは、メイドの性分か
それとも彼女の優しさが故か
彼女にとっては『最後のお手伝い』のつもりだった。
しかし、周囲の反応は――
「じ、呪物を素手で浄化した……!?」
――これは
『ちゃんと祝ってもらいたいメイド』と
彼女の誠実な家事を『聖女の奇跡』と勘違いし
全力で引き留めようとする者たちによる
ドタバタ勘違いコメディである。
「あ……明日こそ。
明日こそは絶対に出て行ってやるんだからぁぁぁッ!」