あらすじ
物語を書いて生きたい。
けれど王女に、そんな未来は許されない。
婚約の申込書が山積みになる自室で、リリエル・アストリア第四王女が出した答えは——
兄の近衛騎士、ゼファー・カッセルへの求婚だった。
理由は明快だ。
兄が信頼している。気に入られようとすり寄ってこない。社交界の評判を気にしない。
そして何より、生きる英雄。取材し放題ではないか。
「わたくし、あなたに求婚いたします」
「……は?」
「結婚問題が解決して、しかも英雄を取材できるなんて、一石二鳥ではありませんか」
「やめてください。俺は英雄じゃない」
これは恋ではない。取材である。
物語を書きたい王女と、物語になりたくない騎士の、すれ違いだらけの結婚が始まる。