あらすじ

「君なら黙って記録するだろう」 王宮夜会の片隅で、臨時記録係のミラ・ノートンは王子殿下にそう言われた。 だから、黙って記録した。 公爵令嬢アデラインへの断罪。 男爵令嬢ロザベルの証言。 「余計な反論は書くな」という削除命令。 そして、証言の時刻が合わないことも。 奨学金を止めようとした本当の発言者も。 ミラは王子を倒したかったわけではない。 正義のために立ち上がったつもりもない。 ただ、後で「言っていない」と言われると困るので、発言を残しただけだった。 けれど、その一冊の議事録は、王子の嘘をその場で崩した。 婚約破棄されたはずのアデラインは、静かに微笑む。 「私、公爵位を継ぐことにしましたの。最初の仕事は、王国中の嘘を記録に戻すことです」 その翌朝、ミラはロシュフォード公爵家の馬車に乗ることになる。 消えた孤児院予算。 偽造された議事録。 王妃殿下の慈善事業。 そして、なぜ自分があの夜の記録係に選ばれたのか。 議事録は味方を選ばない。 ただ、発言を残すだけ。 ミラ・ノートンは今日も黙って記録する。 その紙の上で、嘘をついた人たちが勝手に追い詰められていく。

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小説を読もう2026/06/12
  • 現在の作品「君なら黙って記録するだろう」と王子殿下はおっしゃいましたので 〜議事録令嬢は未来の女公爵様の記録官になります〜