あらすじ

人の価値は、魂の炎——魂火(こんか)の色で決まる。 海が世界を呑んだあと、最後の群島・八洲(やしま)を守る「結界」は、選別で弾かれた者たちの〈名前〉を燃やして保たれていた。十六歳の儀式「灯改め」で色を読まれ、身分が決まる。色の点らぬ者は名を奪われ、番号にされ、聖火の薪になる。 最下層の密猟者・鈴(すず)の望みはひとつ。読まれず、目立たず、病弱な妹のもとへ帰ること。だが灯改めの日、鏡は鈴の炎を読み切れなかった。あらゆる色を移ろう禁忌の炎——「移ろい火」。本来なら即刻処分されるはずの鈴を、若き鏡守・久遠縹(くおんはなだ)がとっさに読みを偽って救い、空に浮かぶ聖都・灯都の選抜試練「選」へと送り込む。 監視と儀礼の檻の中、鈴は知ってしまう。栄誉の選抜と謳われる「選」の正体を。褒められた候補者から順に消えていく理由を。そして、自分を救った縹の優しさの裏にあるものを。 読まれることは、死。なのに、たった一人にだけは、見られたいと願ってしまう——。 名を奪うシステムに、少女は武器ではないもので立ち向かう。和風ディストピア・ロマンス。全三部、完結まで執筆済み。

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小説を読もう2026/06/12
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