あらすじ
ヴァレンタイン侯爵家の冷徹な当主ガルザードから、突然「愛していない」と冷酷に離縁を告げられたシャルヴィエ。彼女は深く傷ついたように涙を流してそれを受け入れ、白亜の別邸へと身を引く。元夫の兄テオルドや、後妻の座を狙う伯爵令嬢ミュリアーナは、後ろ盾を失ったシャルヴィエの没落を確信して嘲笑う。
しかし、誰も知らなかった。シャルヴィエの正体が、か弱き妻の仮面を被った、大陸随一の富と情報を裏で牛耳る巨大商会の若き支配者であることを。
さらに、ガルザードが離縁を切り出した真の理由は、迫り来る一族の政争からシャルヴィエの身を守り、自分の全財産を彼女に合法的に譲渡して自身は泥を被るという、あまりにも不器用で自己犠牲的な愛ゆえだった。