あらすじ
金利が1%に上がる。
多くの人は「住宅ローンの返済が少し増える話」と考えるかもしれない。実際、固定金利で家を買った人や、そもそも借金をしていない人にとっては、自分とは関係のないニュースに見えるだろう。
しかし、外資系企業で働く私にはそうは思えない。
金利とは「お金の値段」であり、その上昇は企業の投資判断、雇用、賃金、さらには日本経済全体の構造にまで影響を与える。企業はより高い利益率を求められ、採用抑制や組織再編が進む。利益率の低い事業は切り捨てられ、外資系企業であれば日本市場からの撤退すら選択肢に入る。
私はこれまで外資系企業を渡り歩き、リストラや事業売却を何度も経験してきた。一社で働いた期間は最長でも五年未満。転職回数は十社を超える。だからこそ、金利上昇を単なる金融ニュースとして見ることができない。
さらに日本では、家計金融資産の多くが高齢世代に集中している。国全体では莫大な資産を保有しているにもかかわらず、その資産が十分に消費や成長投資へ向かわない構造がある。結果として、現役世代の負担は増え、税金や社会保険料は重くなり、経済成長は鈍化していく。
本稿では、金利上昇が住宅ローンだけの問題ではないことを整理しながら、日本経済が抱える「高齢化による資産偏在」と「低成長構造」の問題について、外資系サラリーマンの視点から考察する。
これは経済評論家の分析ではない。
家族を養いながら働く、ごく普通のサラリーマンが感じている危機感と疑問の記録である。金利1%という数字の向こう側で、私たちの雇用や生活がどう変わっていくのか。その可能性について、自分なりに考えてみた。