あらすじ

完璧な婚約者がいた。誰もが認める理想の王太子。けれど、彼が私を見る目は、いつからか硝子越しのように冷たかった。 パラヴェルデ王国の伯爵令嬢アネリスは、婚約披露の夜に突然「不正の罪」を着せられ、王太子ジークハルトに婚約を破棄される。証拠とされた書類に覚えはない。弁明の機会すら与えられぬまま、彼女は王都を追われた。 たった一人の侍女ハンナと辿り着いた北の辺境。そこは「魔王の領地」と呼ばれ、人々に恐れられていた。領主ノクティスは無愛想で冷淡、けれどアネリスの観察眼は気づいてしまう。この男は、恐れられているのではない。自ら壁を作っているのだと。 真実を追ううちに、ハンナが命を落とす。悲しみを飲み込んだアネリスは、証拠を積み上げ、偽りの紋章を解き、幼馴染の裏切りを暴いていく。ノクティスは黙って傍に立ち、必要なときだけ手を差し伸べた。 敵だと思っていた公爵が味方に変わり、信じていた友が牙を剥く。王宮の権謀術数を、アネリスは知恵と証拠だけで切り崩していく。 だが、すべてが明るみに出たとき、この国の歴史そのものを覆す真実が姿を現す。「魔王」とは、誰が、何のためにつけた名だったのか。 答えを知ったとき、アネリスの手はもう迷わなかった。

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小説を読もう2026/06/12
  • 現在の作品完璧な婚約者がいたはずなのに、なぜか最後は魔王と結ばれました。