あらすじ
村で「ようかいの子」と呼ばれる少年ユラは、生まれつき赤黒くただれたような肌を持っていた。
村の子どもたちに石を投げられても、ユラは怒らない。石が当たると痛いから、自分は石を投げない。村人の白くなめらかな肌を怖いと思いながらも、誰かを傷つけたいとは思わなかった。
そんなユラには、姿を消す不思議な力があった。母から誰にも見せてはいけないと言われていたその力を、ユラはずっと隠して生きてきた。
ある日、村に盗賊たちが襲いかかる。食料だけでなく、女や子どもまで連れていこうとする盗賊たちを前に、村人たちは追い詰められていく。
母を守りたい。友達を守りたい。村を守りたい。
ユラは姿を消し、母の言葉に合わせて盗賊たちを追い詰めていく。
悪霊ではない。恐ろしい化け物でもない。
そこにいたのは、ただ誰かを助けたいと願う、善良な妖怪の子だった。