あらすじ

数万年を生き、地獄を創り、世界を創り、悪魔さえ創った存在——《深淵の父》。 彼にはただ一つ、経験のないことがあった。「誰かと食卓を囲む」ことだ。 二十年前、街を呑んだスタンピードの中で。 人間だった頃の記憶をほとんど失くした彼の底から、たった一行だけが浮かんだ。 「子供は、大切にするもの」。 ——気づけば彼は、災害が生んだ孤児達を抱え、孤児院の院長になっていた。 育て方は、完全に忘れている。だから教育はおかしい。 「最低限の護身術だ」と言って、魂の分割思考と魔力循環を教える院長に、子供達は今日もツッコむ。「最低限とは」。 卒業生は社会の第一線にいる。救命医に、官僚に、国民的アイドルに、人気攻略配信者。 魔界の住人は、近所でバイトをしている。 そして院長は、子供に怒られると世界を滅ぼすのを我慢する。 これは、最強の悪魔が世界を救う話ではない。 人間を忘れた怪物が、家族によって、もう一度人間に戻っていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/12
  • 現在の作品人間の育て方を忘れた悪魔、なぜか孤児院を経営する