あらすじ

地獄の底で苦しむ大泥棒カンダタの前に、極楽から一本の蜘蛛の糸が垂れてきた。 それは、お釈迦様が与えた一筋の救い。 普通なら涙を流してすがるところだが、カンダタの第一声は違った。 「細くないか?」 地獄から極楽まで続くには、あまりにも頼りない蜘蛛の糸。 カンダタは耐荷重、利用条件、複数人利用の可否を確認し始める。 やがて彼は気づく。 この糸は、重さで切れるのではない。 「来るな」「降りろ」「俺の糸だ」と言った瞬間に切れる、発言判定の救済なのだ。 勝ち筋を見つけたカンダタは、押し寄せる亡者たちに本音を飲み込み、必死に丁寧語で対応する。 「来……来られる方は、足元にお気をつけください!」 「救済は共有資源でございます!」 口だけは極楽へ近づいていく。 しかし、心はまだ血の池にいる。 感謝には耐えた。 功績にも耐えた。 だが最後、亡者の一言がカンダタの所有欲を揺さぶる。 「カンダタさんの糸、すごいですね!」 これは、救済の仕組みを見破った男が、褒められて本性を漏らすまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/06/11
  • 現在の作品蜘蛛の糸、カンダタが“言ったら切れる”と見破る