あらすじ
レティシア・レイヴンズベルクは、王都で黒薔薇の悪女悪徳令嬢”と恐れられる公爵令嬢。
婚約者である王太子アルベルトから、聖女候補への嫌がらせや不正の罪を着せられ、公衆の面前で断罪される。だが彼女は冷静に反撃し、自分が王都の財と裏帳簿を握っていることを示して追放を逃れる。代わりに課されたのは、腐敗と貧困に沈む東部辺境ディルクレストの再建という、ほとんど死刑同然の難題だった。
辺境へ赴いたレティシアは、街道を荒らす元兵士、裏社会を知る賭場の帳簿屋アッシュ、真意の見えない情報屋リオネルらを利用しながら、東部に蔓延る汚職、人身売買、違法徴税、そして魔鉱石密輸の実態を暴いていく。
その過程で、王都で“光の聖女”と持て囃されるエリアナが、実は陰謀に利用されていたことも判明。さらに、すべての黒幕が王太子側近ヴィクトル・ハインツ、ひいては王太子派の権力基盤へとつながっていることが明らかになる。
レティシアは東部を立て直しながら、被害者たちを救い、腐敗した代官や貴族たちを追い詰め、ついに証拠を携えて王都へ帰還する。
そして再び開かれた大評定の場で、かつて自分を断罪した者たちを今度は逆に糾弾。王太子派の不正を暴き、王宮を揺るがす大逆転を果たす。
“悪女”として嫌われ、嘲られながらも、その仮面の裏で誰よりも現実を見つめていたレティシア。
これは、善人にはできないやり方で世界を変え、断罪の舞台を自らの勝利の場所へと変えていく、苛烈で痛快な悪役令嬢譚である。