あらすじ

その時々の情動から人生訓を学んで誰もが成長する。ただ、抽象概念を具体的な人生目標に翻訳する作業は難しい。過程で人は感情の沼にとらわれがちだ。 アルバートはマーサ婆さんと出会ったとき、自分にもどういう事情があるのか訊ねたことがある。そしてマーサ婆さんが自分の生殺与奪権を握っているのだと知った。かつて天才プログラマーとして知られたアルバートだが、それは別におまけ程度の存在だったのだ。当時の天才プログラマーは自分の生殺与奪権を持っていなかった。そもそもプログラマーという職業自体が自分から全てを奪う職業だったのだ。ある時彼は自分の生殺与奪権から奪われる自分を想像した。プログラマーとして、お婆さんが守りたいと言ったこと。お婆さんにとって大切な自分の生命。それさえ失われたマーサ婆さんが自分に与えられた価値を噛み締めて涙を流す。そんなことを想像した。 しかしマーサ婆さんは笑っていた。 「それはどうだろうな」

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エブリスタ2020/04/27
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