あらすじ
何度やり直しても、必ず処刑される。
悪役令嬢リリアーナ・フォルティスは、
婚約破棄、断罪、そして処刑――その結末を何度も繰り返していた。
善人になっても。
逃げても。
聖女と手を組んでも。
結果は決して変わらない。
やがて彼女は気づく。
この世界には、“結末だけを固定する力”が存在していることに。
そして、自分たちの人生は誰かに「観測される物語」に過ぎないことに。
ならば抗うのではなく――破壊する。
悪役令嬢としての役割を極め、
因果と構造そのものに負荷をかけ、
ついに世界は崩壊する。
だがそれは終わりではなかった。
完全に削除されなかった彼女は、
“物語の外側”に残留する存在へと変貌する。
名前も、役割も持たないまま。
ただ、あらゆる物語を歪める何かとして。
これは、
結末から逃げられなかった令嬢が――
世界ではなく、物語そのものを壊した記録である。