あらすじ
百年以上、誰にも抜けなかった聖剣《レギオン》。
レギオン帝国の皇太子アルトリウスは、本来その聖剣を継ぐはずだった。だが、彼は聖剣を抜けなかった。
年に一度の神器奉覧祭。帝国の正統性を示す式典の最中、貧民街の盗人リオ・ヴェイルが聖剣を盗みに入る。
ただの盗みのはずだった。
しかし聖剣は、皇太子ではなく盗人を選んだ。
リオは勇者になりたいわけではない。世界を救いたいわけでもない。
聖剣に「何を望む」と問われ、彼は答える。
「世界だ」
聖剣を奪われた帝国は、リオを勇者とは認めない。
皇太子アルトリウスは、国の正統性を守るために命じる。
「あの男を、勇者にするな」
聖剣に選ばれた盗人。
聖剣に選ばれなかった皇太子。
本物の神器と、国家が作り上げたレプリカ神器。
これは勇者が世界を救う物語ではない。
勇者が現れたせいで、帝国の正統性が崩れ、世界が戦記へ転がり始める物語である。
※本作品は、小説家になろう・アルファポリスにも掲載予定です。