あらすじ
生涯回収率六十パーセント。馬を見る目だけは確かなのに、見抜いた答えに「夢」を乗せて外し続けた派遣社員・高梨悟、三十五歳。子どもを庇ってトラックに撥ねられた彼が目を覚ますと、そこは北海道日高の零細牧場――「買い要素なし。消し」と断言される最弱血統の仔馬に転生していた。
借金まみれの牧場をひとりで守る十八歳の娘。十一戦〇勝のまま引退した母馬。十九年前、日本ダービーをハナ差で落とした崖っぷちの騎手。定年間際の老調教師。
速さは「中の上」。武器は、十五年間外し続けた男の観察眼だけ。崖っぷちばかりを乗り合わせた一頭と人間たちが、世代七千頭の頂点・日本ダービーに挑む。