あらすじ
歌に込めた感情が炎になる世界。
新しい歌を歌うことは許されていない。
わたし――仮面の歌姫「終曲(フィナーレ)」は、命じられた正しい古い歌だけを完璧になぞり、逆らう者の火を鎮める兵器だった。何も感じない。空っぽのままでそれでよかった。
ある夜、地下のバーで、禁じられた一曲に焼かれるまでは。
聴いたこともないはずなのに、喉が、次の音を知っている。漏れ出す、自分の声。疼く、古傷。
その歌は、十年前に世界を燃やしかけた大反逆者が遺した、最後の歌だった。
わたしを狩りに来た審官の女は、なぜかひどく優しい。
「もう一度、わたしが鎮めてあげる。痛くないように、何も覚えていられないように」
地下で出会ったまっすぐな歌い手の少女は、わたしの火を聖なるもののように見つめる。
与えられた歌しか持たなかった少女が自分の声を取り戻していく。
仮面を脱ぐとき、終曲は、狼煙になる。
最強・仮面・前科持ち。歌が武器の少女たちが交わる、湿度天元突破したダーク百合×音楽ノワール。ポロリモアルヨ!!